祭り囃子が聞こえた。山本寛斎さんにお話を伺った時のことです。
お好きだった色の三原色「赤・白・黒」が目映いゴージャスな出で立ちではなく、シックなスーツ姿で現れた寛斎さん。それでも、ネクタイにはカラフルなハートが。
気配りのひと。自由奔放に、縦横無尽に言葉を紡ぎながらも、常に聞き手の意識の流れを把握し、トークに抑揚をつける。寛斎さんはバサラ。繊細であるが故に、かぶく術を知っておられた。
常に世界を見据えておられた寛斎さん。また堂々たる野武士がひとり、天に召された。心からご冥福をお祈り申し上げます。