15年目の祈り
2026/03/11石巻市立吉浜小学校跡地に建てられた『希望の鐘』
あの刹那、この国の命運は
尽きたと思った。
あの午後、この世界は
終焉を迎えたと覚悟した。
あの日を境に私は、
確かに変わった。
日本人であること
その体温、その肌触りを
初めて感じていた。
この国が掛け替えのない
たったひとつの
母なる大地であることを
改めて知った。
地に唇を寄せ
無言で抱き合い
紐帯を手繰り寄せ合い
この国を愛おしく思った。
あれから15年。
我々は生まれ変わったのか。
あの日を覚えているか。
あの午後を心に留めているか。
そして
あの刹那と向き合っているか。
汚泥から握り拳が突き出ていた。
死臭が軽やかに舞っていた。
いつまでも鬼火が後を追ってきた。
喉が潰れた。潰した。二度と
悲鳴が漏れないように。
鼓膜が破れた。破った。二度と
叫喚が届かぬように。
変わらないひとがいる。
変われないひとがいる。
私は、忘れない。
忘れて堪るか。
また、あの地へ戻ろう。
嗚咽を堪え
疵口に手を当て
あの地へ帰ろう。
失われし御霊を慰撫し
この国の、我々の
在るべき姿を探し求めて
再び、
希望の鐘を鳴らすために。
合掌。
石巻市立吉浜小学校と道路を挟んだ南側にあった石巻市北上総合支所は、避難所に指定されていたにも関わらず津波に飲み込まれ、避難していた生徒7名を含む住民57名の尊い命が失われました。写真は、3月11日に亡くなられた地元住民の方々と北上地区にいて犠牲となられた方々の御芳名が刻まれたモニュメント (昨年10月撮影)。






































