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   広島市立基町高校・創造表現コースの「次世代と描く原爆の絵」プロジェクトでは、どのような作品が描かれているのか教えて欲しい、観てみたいといった声が多数寄せられているため、所蔵されている広島平和記念資料館の許諾を得て、過去15年間に延べ155名の高校生たちによって描かれた182点もの作品群の中から数点を選び順次、(拙著『平和のバトン〜広島の高校生たちが描いた8月6日の記憶』に収録されていない作品を中心に) ここでご紹介させて頂いています。本年度も、新たに9作品が制作されています。

 

『炎から逃れ水を求めて雁木に集まってきた人々』 作/松田優奈 所蔵/広島平和記念資料館 (2016年度)

 

   昭和20年8月6日、原爆が投下された当日午前9時頃、被爆体験証言者の大田金次さんが天満川のほとりで目撃した光景です。火災から逃れて来た人、怪我をして助けを求める人、「水を!」と叫ぶ人、そして黒焦げになって息絶えた人々が雁木に、足の踏み場もないほど横たわっていたと云います。その中には、赤ん坊を背負ったまま亡くなっている母親の姿もありました。

   雁木は、河岸から川に降りるために造られた階段状の構造物 (船着き場) で、大小合わせれば市内に約400箇所あるとも云われています (京橋川の雁木群は2007年に、土木学会選奨土木遺産に選定されています)。

 

 京橋川沿いに残る雁木。

 

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